当社はビールの美味しさを、気泡の発生と、ヘッド(head)の形成およびヘッドの保持時間から捉え、ビアカップの内面構造との関係について検討を行い、併せて理論的考察を試みた。
内面の凹凸が均一で反射面の平均円相当直径は、いずれ約20μmで、平均 20μm（Aカップ） 31μm （Bカップ）18μm （Cカップ）素焼きの凹凸不明のカップの4種類でを検証した。
素焼きの凹凸不明のカップでは泡立ちが良すぎ、さらに泡の消失速度も速い（泡持ちが悪い）。Aカップ では泡立ちはほぼ適当とされる20%程度であったが、泡の消失には大きな差があり、カップA（約23分）はガラスカップ（98秒）に比し泡持ち時間が非常に長かった。カップBは検討したカップの中で2番目に泡立ちは少なかったが泡の消失速度は最も遅く、泡持ち時間は約31分を示した。
一般に陶磁器のカップを用いると泡立ちが良く、生じた泡が細かいとされているが、一概に陶磁器のカップが優れているとは言えないことが示され、
ビアカップの好ましい条件の1つとして良く乾いている事があげられるが、我々がビールを飲む祭には、同じカップを繰り返し使用する。
ガラス製カップは、2回目以降、泡立ちは減少し続けた。ガラスは1度濡れると、気泡核となりうる表面に吸着した空気が少なくことで２回目、３回目と泡立ちが悪くなっていく。
樽ナマBeerCupは2回以降も泡立ち、泡持ちともに安定しており、5回連続使用後においても泡持ち時間は約27分を示した。
一部のシャパングラスにわざとキズがつけられているのは、気泡の連続発生を可能にし、視覚的にシャンパンのおいしさを演出するための工夫といえる。